恋愛における緊張は自分の実力以上のものを出そうとすることが原因でおこることが多いようです。つまり、「失敗したくない」「自分のいいところだけを見せたい」という思いが、緊張を招いているということです。
緊張にも色々な種類があると思いますが、こと恋愛に関していえば、これ以上でもこれ以下でもない気がします。どうでもいい異性の前で緊張する人はいませんからね。
【1】人は無意識に相手を値踏みしている
人は無意識のうちに、目の前の異性を値踏みしています。そして緊張は、相手の魅力レベルに比例して増大するという特徴を持っています。なぜ比例するのかというと、その分、背伸びをしてしまうからですね。
つまりこの「背伸び行為=自分の実力以上のものを出そうとする行為」が緊張の原因…というか正体なワケです。その証拠に、自分よりも魅力レベルが低い異性だと判断した場合、人は緊張しません。
【2】緊張なくして恋は始まらない
医学書を紐解くと、緊張の直接の原因はアドレナリンの大量分泌によるものだと記してありますが、そのアドレナリンの分泌を促しているのがPEAというホルモンです。 PEAは恋の媚薬ともよばれていて、これが分泌されるとアドレナリンをはじめ、ドーパミンなどの快感ホルモンも次々と分泌され、人は恋に落ちたと錯覚します。
そしてPEAが分泌されないと、人は恋に落ちないということも数々の権威ある実験により報告されています。ですが困ったことにこのPEAは、緊張している状態でないと分泌してくれないのです。
つまり、緊張せずに恋を始められる人間など、この世にいないという結論に達します。そう考えると、緊張症・あがり症の克服法を考えるのは、少し無意味なことのように思えてきませんか?
【3】集中しているということ
おそらく改善すべきは、どうしても緊張してしまうという体質ではなく、それが良くないことだと思っている考え方のほうです。「アガると、本来の実力を出せない」という思い込みこそが実力にフタをしているのです。むしろ逆なのだということを今説明しましょう。
ヒトの遺伝子は、1万年前の狩猟採集時代から99%以上変わっていません。そしてその時代で緊張する時というのは、殆どが狩猟の時でした。手に汗をかくのは木の棒などをつかみやすくするため、心拍数が上がるのも獲物などをすぐ追えるよう体が準備しているからです。
脳はフル回転し、五感は研ぎ澄まされ、筋肉も引き締まるので、顔つきはりりしくなり、目や瞳孔さえも大きくなります。つまり人は、集中するために緊張しているといえるのです。
その証拠に、あなたが何気なく街を歩いていて、ふと鏡に映った顔というのは、なんと気の抜けた顔でしょう。顔のしまりがなく、まるで自分ではないようです。でも、それが本来のあなたの顔なのです。ところが、今から合コンに行くという時は、なんとりりしい顔をしているでしょう!! まるで、獲物に狙いを定めた鷹のようです。
緊張することによって様々な恩恵を受けているのに、それを解き放って合コンやデートに行きたいという人は、気の抜けた顔で女の子と話をしたいと言っているのと同じです。デメリットばかりに目を向けてはいけません。
【4】それでも緊張したくないあなたへ
しかし、それでも緊張したくないと思っている人は多いでしょう。確かに、極度のアガリは血管の収縮を引き起こしますからストレスの原因にもなりますし、女性が余裕のある立ち振る舞いを望んでいることも事実です。
医学的には緊張を和らげる効果的な方法は、深呼吸することしかないらしいですが、確実に一気にこれを和らげる方法といえば、自分の底辺(見られたくない部分や恥ずかしい部分)を見せる以外に方法はないと僕は考えています。
例えばスピーチなどで、最初に大ミスしたりすればリラックスできるというあの原理です。僕も実はけっこう緊張屋さんなので、合コンなどの時は登場してすぐに「今日、家からゴムつけてきたんだど、ヤレるかな?」などと、わざと女の子にも聞こえるような大声で言ったりしていました。
すぐに友達からツッコまれて失笑を買いますが「いや、初対面から生はマズイでしょ~」などと畳み掛けます。男性の最終目的はエッチで、女性もそれは分かっています。ですが男は皆、必死でそれを隠そうとします。その最も隠すべき部分をさらけ出してしまうという、自虐的なブラックジョークです。
一見アホですが、この自虐というのは実はとても効果があります。女性は、実力のある男性ほど自分を下げて見せられるということをよく知っているからです。自虐は、緊張を和らげると同時に、余裕という名のオーラを纏わせてくれるのです。
緊張していることを隠そうとすると、余計に緊張します。それならばむしろ「気合い入れすぎて洗顔フォームで歯を磨いちゃった!」「洋服選びに5時間もかかっちゃった!」 などの自虐をして、緊張している自分をさらけだした方がいいでしょう。変に真面目ぶらないことです。そもそも男が思っているほど、女は真面目な男を求めてはいません。
【5】リラックスしようと思ってはいけない
最後に1つだけ、絶対にしてはいけないことを。
それは「リラックスしよう」と自分に言い聞かせることです。なぜならそれは、テンパっている自分を認めている思考だからです。それならまだ「もっと、テンパろう」の方がマシです。これならまだ余裕があることになります。
自分をよりよく見せようと「緊張しない方法」を探すことは、あまり意味のないことだと僕は思います。なぜなら、自分の実力以上のものなど、出せるハズがないのですから。